私の身体
そんな真面目な人だったけど、やっぱり若い男性なんですよね。
慣れてくると、大胆なことを要求してきて、困ってしまったこともありました。
動物園でデートという日に、車が渋滞して、全然進まなくなってしまいました。
そのとき彼が、助手席の私の右手を取って、ズボンの前に触らせたんです。
私はびっくりしました。
そんなことをするような人じゃないんです。
それに、昼間で、道路は渋滞中だから、前も後ろも車が詰まっていました。
道路が一車線で隣りには車がなかったけど、対向車はいます。
トラックの運転席なんかから見下ろされたら、乗用車の中は丸見えなんでしょう?
本当に車は少しも進まなくて、二十分くらいは、止まったままでした。
私が手を触れたときには、彼のものはすでに硬くなっていました。
こんなときに、どうして?
と思ったけど、彼の手が私の手を上から押さえて強く押しつけました。
しかたなく、そこを握ったりこすったりしてみましたが、彼は物足りないのか、ファスナーを下ろして私の手を下着の中に入れようとします。
こういうのって、後ろの車からはわかってしまうんじゃないでしょうか。
でも、やめるわけにもいかなくて、彼の求めることをしてあげました。
しだいに手に握っているものが、大きくますます硬くなって、湿り気をおびてきました。
いつまで、こんなことをしてればいいのか。
どうするつもりなのか、わからなくて、困っているうちに、前の車が少しずつ動き出して、渋滞が終わりました。
そのあとは動物園で、健全なデートをしてきました。
帰りですか?
寄りましたよ、ホテルに。
ホテルでの二時間はあっという間ですよね。
でも、彼は一度も時間を延長したことがありませんでした。
そんなところも、真面目な性格の表れなんでしょうか。
ベッドの上に仰向けになっている私の開いた脚の間に彼が座っています。
見られているのが恥ずかしくて私は目を閉じていました。
そこを指でいじられているうちに、だんだん気持ちがよくなってきました。
そんなこと言うつもりはなかったのに、口から出てしまったんです。
「エッチ……」
彼は怒りました。
気持ちよくしてあげてるのに、そんなこと言われるなんて心外だという感じでした。
こんなときに「エッチ……」って女の子に言われて怒るなんてヘンじゃないですか?
「ごめんなさい」と言うと、彼は少し怒った顔のままで、私がイクまで指で愛撫してくれました。
シャワーを浴びて服を着てしまったけれど、まだ少し時間があるのでベッドに腰掛けて話をしていました。
そうしたら彼が私の乳首をいじり始めたんです。
今までになく、執拗にいつまでも乳首だけをいじられて、冷めかけた身体が熱くなってきてしまいました。
そんなことは初めてだったんですけど、中に彼を欲しくなっていました。
自分のほうから言葉で求めたことがなかったので言い出せなくて、でも身体はもう我慢できないくらいになっていたんです。
私の身体をこんなにしたんだから、今夜は時間が過ぎても、もう一度ベッドに戻るつもりなんだと思いました。
だけど、彼の行動はいつもどおりでした。
「時間だ、帰ろう」
突然そんなふうに言われても、立ち上がれないくらいになっているのに。