傷が治った頃

浅い場所に指が入ったり出たりしています。

 

よくわからないけど、Gスポットという場所なのかもしれません。

 

こんなにじっくり、そこをいじられたのは初めてでした。

 

最初に付き合った人は、こういうことは、ほんの少ししかしませんでした。

 

濡れてきたらすぐに挿入されたんです。

 

それが、のぼる君はいつまでも、指で私のそこを弄んでいます。

 

いやなわけじゃなくて、とても気持ちいいので困ってしまいました。

 

自分ばっかり、こんなに気持ちよくなってることが不安でした。

 

のぼる君が指を離したので、いよいよかなと思っていると違いました。

 

今度は、温かい舌でそこを舐められました。

 

感じたことがないくらい気持ちよくて、自分でも中から蜜が溢れてくるのがわかりました。

 

「あっ……ああっ……」

 

もう、声を押さえることができなくなってしまいました。

 

舌で刺激されながら、指を入れられてこすられると、たまらなくなって大きな声が出てしまいました。

 

「ああっ!いやっ……」

 

のぼる君がますます、激しく刺激してくるので、とうとう私はイッてしまいました。

 

「ああぁーっ!」

 

初めから一方的にいじられて達かされてしまいました。

 

ぐったりした私の両足を思い切り広げて、のぼる君が中に入ってきます。

 

達したあとですぐに挿入されるのなんて初めてでした。

 

ところがのぼる君との初めての営みは良くなかったんです。

 

良くなかったというのとは少し違うかもしれません。

 

のぼる君のものは、なんていうか、硬すぎて……。

 

気持ちいいよりも、痛くてたまりませんでした。

 

初めて付き合った人と比べると身長も少し低いせいか、それも大きくはなかったんです。

 

だけど、信じられないくらいに硬くて激しく抜き差しされるたびに痛みを感じました。

 

それでいて、のぼる君の行為は長く続いたので痛みと疲れでぐったりしてしまいました。

 

家に帰ってお風呂に入るときに確かめると、下着には鮮血がたくさんついているし、私のその場所はお風呂のお湯が沁みるほど傷ついているようでした。

 

傷が治った頃には、また週末がきて、同じようなデートを重ねる。

 

そんな日々がしばらく続きました。

 

でも、そんなに心配することはなかったみたいです。

 

出血するほどに傷ついたのは初めの三回くらいでした。

 

そのあとは、回を重ねるたびに快感が深くなっていきました。

 

正直に言うとのぼる君とは、性格も考え方もなにもかも合わなくて、冷静になれば結婚するなんて無理だとわかったはずです。

 

だけど、どうしても早く誰かと結婚しなくてはならないと、追いつめられた気持ちになっていた私には、そんな簡単なことに気づかなかったんです。

 

いいえ、本当は気づいていたのかもしれません。

 

気づいていて考えたくなかった。

 

のぼる君には悪いけど、誰でもよかったんです。

 

そのことでよけいに営みだけに溺れていったのかもしれません。