一番奥まで
聡志との付き合いは、三ヶ月と短いものでした。
週末ごとに聡志の家で営みするだけの関係でしたが、結婚の話だけは進めていました。
それぞれの両親に会って、親同士も顔を合わせて、婚約までしました。
結婚式の日取りも、新婚旅行の段取りも決めていました。
親戚に知らせてお祝いまでもらっていましたが、ふたりの仲は突然終わってしまうんです。
その話の前に、もう少しだけ、聡志とのデートについてお話しますね。
聡志の部屋でふたりでお昼を食べたあと、聡志がちょっと照れたような顔で言います。
「抱いていい?」
「うん」
いつもと同じように、始めました。
部屋の隅に畳んであった布団を敷いて、それぞれに自分で服を脱ぎ捨てます。
あいかわらずカーテンのない聡志の部屋は、窓だけはたくさんあって、正午を過ぎたばかりの部屋の中は明るすぎました。
そんな明るいところで、聡志は一時間もかけて私の恥ずかしい場所を指でいじって舌で舐めました。
「ああぁ……んんっ……」
されればされるほど、どんどん気持ちよくなってきました。
「ああっ……いやっ……あっ、あっ、あぁーっ!」
挿入する前に、必ず一度達かされてしまいました。
「すっげー、なんだよ、これ」
「えっ?なに?」
聡志の驚いた声を聞いて、達ったあとのぐったりした身体を無理に起こしました。
「やだ、どうしたの?」
私の脚のあいだの敷布団に触ると、シーツがびしょびしょになっていました。
まるでオネショしたみたいです。
「こんなの、私のせいじゃないよ。
聡志でしょ」
「違うって、俺は、まだ出してないぞ」
「じゃあ、なに?」
「おまえが出したんだから、あれだろ」
「あれ?」
「潮吹きってやつ」
「うそっ!」
「うそじゃないって、ここからすっごいたくさん水が出た」
「やだあ……」
話には聞いたことがあったけど、本当にこんなことがあるなんて思いませんでした。
それも、自分の身に起こるなんて……。
一時間もかけた前戯のあとで聡志が挿入ってくると、それだけですごく気持ちいいんです。
挿入されて気持ちがいいことなんて、それまでなかったので、自分がこれほど営みで気持ちよくなれることが不思議でした。
聡志の前に付き合った人とはしたことがなかった、いろんな体位を試してみました。
もちろん、私はそんなことほとんど知らなかったので、聡志に言われるままにしていただけです。
騎乗位で自分の好きなように動くと、相手にまかせているだけよりも気持ちがいいということも初めて知りました。
でも、疲れてしまって達するまで動きつづけることなんかできませんでしたけど。
私の動きが止まってしまうと、聡志が上になって激しく動きました。
私は初めて聡志の動きに合わせて自分でも、少しだけ腰を動かしました。
たったそれだけのことで、今までの何倍も感じることがわかったけれど、恥ずかしくて本当にほんの少ししか動けませんでした。
もっと恥ずかしいのが、後ろからされることでした。
裸でお尻を突き出している姿を、後ろから見られているなんて耐えられないくらい恥ずかしい思いでした。
だけど、この体位だと一番奥まで届いて、そんな奥のほうまでが気持ちよくなってしまいました。
すればするほど快感が深まっていくことに、とまどいを覚えながらも、あまりの気持ちよさにやめることができずに何度も抱き合いました。
聡志も私も何度も達して、いつのまにか眠ってしまいました。