彼も結婚
五、六時間ものあいだ、途中で少しだけ眠ったとはいえ、ずっと営みし続けていました。
それは、毎週末のデートのたびに続きました。
T君と私の相性がよかったのは営みだけでした。
もっと早く、私のほうから別れを言えばよかったんですよね。
それを言えなかったのは、身体の気持ちよさに負けたからかもしれません。
あるいは、結婚という言葉に縛られていたからかもしれません。
きっとその両方だったんでしょうけど。
最後に決断したのは、T君でした。
私たちは、付き合い始めたときと同じように突然別れました。
今でもときどき思うんです。
私にもっと体力があったら、5、6時間よりももっと長く続けていられたら、あれ以上に気持ちよくなることができたんだなあ、と。
別れた直後は、結婚をあせった自分が愚かだったと後悔しました。
それが今になってみると、いい思い出になっています。
その後、彼も結婚したみたいです。
奥さんはすごく年下だって聞きました。
私としたよりも、激しい営みをしてるのかな。
そう思うとちょっとだけ妬けます。
この話、「間違いだらけの恋人選び」というタイトルにしたほうがいいかもしれませんね。