別れの話
彼のお母さんの実家の二階で、エッチなことをしてしまいました。
一階の部屋には、お盆休みで家族がみんなそろっているというのに。
さっきまでは、お母さんと三人で寝ていた部屋に今は彼と二人です。
しかも、彼は私の布団の中に……。
彼の手がパジャマの上から私の胸を揉みました。
私の手は、彼のものを直接掴んでいます。
彼はいったいどうするつもりなんだろう?
そう思っていると、急に彼が私を布団の上にうつ伏せにしました。
そして、パジャマの下だけを脱がされた私の背後から彼がのしかかってきて。
まさか、こんなところで?
だけど、彼がしたことは私が思っていたのとは少し違いました。
私は腿のあいだに彼の熱くて硬いものを感じていました。
彼もさすがにここでするのは無理と思ったのでしょう。
でも、欲望は押さえきれなかったみたいです。
後ろから腿のあいだに差し込まれたそれはなんとも言えない妙な感触でした。
それだけではイケないらしくて、彼が自分の手で扱いているのがわかりました。
しばらくして、腿に生暖かい濡れた感触がして、彼がそれをティッシュで拭いました。
そのあと、二人一緒に階下に下りると、お母さん、伯父さん、伯母さんたちがみんな茶の間にいました。
「ずいぶん、ゆっくり寝てたね」
そう言われて、とても恥ずかしい思いをしました。
朝食を食べ終えてから、彼のいとこの子供たちを連れて近所の公園に遊びに行ってきました。
結婚して親と同居だと、いつもこんなふうなのかなあ。
なんて、漠然と思ったりしました。
だけど、彼とは結局、別れることになってしまったんですよね。
別れの話は、悲しいので書きません。
だけど、ひとつだけ書いておきます。
別れが決まったあとで、最後に一度だけ、いつものホテルに行ったとき。
あの最後のときが、付き合っていた数年間にした中で、一番気持ちよかったなんて、なんだか、皮肉ですよねえ。
最初から最後まで、真面目で一生懸命な二人だったけど、どこかがすれ違ったままだったような気がします。