女体は徐々に弛緩

寛は、加古井夫人と目を合わせ、豊かな両の尻肉を掴み締めると再び抽送を開始する。

 

堅さを保持したまま屹立する男根と肉襞の淫靡な摩擦に、加古井夫人の顔はたちまち淫蕩な表情に変わり、媚声を発し始める。

 

寛の首の後ろで手を組み、全体重をかけて後ろにのけぞっていく。

 

寛が加古井夫人をベッドに寝かせ、正面から責め立てる体勢を取ると、夫人は宙に浮いた両足をバタバタさせて歓びを表現した。

 

「いいわ、いいわ、そうよ、もっと、深く、突いて、うっ、アア、ア、はぁうっ、くっ」

 

両手でシーツをつかみ取り、頭を左右に振ってあられもなく乱れる加古井夫人の姿に、寛は、夫人が不可逆的な最終段階に入ったことを悟った。

 

規定の2時間をめいっぱい使って何度も達する女がいる。

 

反対に短時間のうちに果ててしまう女もいる。

 

達した深さを比較しようはないが、社長の美詠子からは、客の求めに逆らわないよう言い付けられている。

 

寛は前屈みになり、広げた両手をベッドについた。

 

肩に加古井夫人の脚を乗せる形になる。

 

最も深い角度で、長いストロークの抽送になる。

 

組み敷かれた加古井夫人は、もはや言葉にならないかすれ声を上げるだけであった。

 

寛は、淫液が煮え立つ蜜壺を激しく搗き上げる。

 

引くと同時に、少し腰を浮かせ気味にする熟練の技だ。

 

加古井夫人は、突然、全身を硬直させた。

 

肩に掛かる脚にグ、グーーッと重みがかかる。

 

「ん、んんーーん」

 

膣痙攣を危ぶんだ寛が、早めに肉棒を抜去すると、女体は徐々に弛緩してくる。

 

それに応じて加古井夫人から身を離していく。

 

歯が小刻みにカチカチと鳴っているのがわかった。

 

「痙攣しても、そうっとしておくこと。

 

舌なんてそうそう噛まないものよ」

 

社長の美詠子の言葉が寛の脳裏に蘇る。

 

愛咬を加える女は、激しいエクスタシーを迎えることが多いという。

 

寛は、加古井夫人に咬まれた右肩を触った。

 

まだ歯形の凹凸が残っているようだ。

 

夫人が吐出したぬめぬめとした淫液溜まりにはまり、寛は膝に冷たいものを感じた。

 

それは、寛の下半身にもべっとりと付着している。

 

快楽の激しい波に打たれる加古井夫人をベッドに残し、寛は窓際に立った。

 

時計を見る。

 

あと1時間強の間に、夫人はもう一度寛を求めることができるのだろうか。

 

もちろん、クスリの効果が持続する限り、寛の体にはそれに応えるだけの力はある。

 

ムスコは少しも衰えることなく、股間から屹立していた。