純情なカップル

昼間、うまくいかなかったことで気まずい思いをしながら、それでも夕飯は彼のお母さんと三人で食べました。

 

いつもより1時間も早く、彼が私を送って行くと言ったので、彼のお母さんは少しへんな顔をしました。

 

「ごちそうさまでした。失礼します」

 

いつもどおりに挨拶して、彼の家をあとにしました。

 

途中で彼が車を停めます。

 

初めてキスをした、あの場所でした。

 

周りに家もなく、人も車も通らない場所。

 

車を停めていても、誰にも見咎められない場所。

 

「昼間のこと、もう一度やり直したいんだ」

 

彼に言われて、驚きました。

 

まさか、車の中でそんなことをするなんて思ってませんでした。

 

キスくらいならいいけど、いくらなんでも、誰かに見られるかもしれないじゃないですか。

 

だけど、彼の必死な感じが伝わってきて「うん」と返事をしてしまいました。

 

さすがに服を脱ぐわけにはいかずに、スカートをはいていた私は下着だけを脱ぎました。

 

彼も、下だけを脱いでいました。

 

客観的に見たら、かなりマヌケですよね。

 

でも、自分たちは真剣そのものです。

 

昼間、彼の部屋ではあんなにダメだったのに、どういうわけか車の中では元気いっぱいでした。

 

室内灯も消した暗い中で、彼が手探りで私のその場所を探します。

 

彼の手を取って、そこを教えると、今度は迷わずに入ってきました。

 

彼は身体が大きいせいか、あれも大きくて、私は痛みと圧迫感に耐えているばかりでした。

 

しばらくして彼があわてて引き抜いて、外で射精しました。

 

自分が気持ちよくなったわけじゃないけれど、彼がうまくできたことが、うれしいと思いました。

 

本当に、純情なカップルだったんですよね。

 

このときが二人にとって、最高に幸せだったのかもしれません。

 

たった数分後に、天国から地獄に落とされたような思いをするなんて、知らなかったんですから。

 

その話はあとでします。

 

この日、実は、彼の出した液体が私のスカートにかかってしまい、私は母親に言い訳するのに大変な思いをしたりもしたんですよ。

 

彼の家でごちそうになった「クリームシチュー」のシミ、と言っておきましたけどね。