むなしく感じる

「今から二十分だからね。わかった?」

 

「わかってるよ」

 

「ちょっと、まだ入れないでってば、全然わかってないじゃないの」

 

「出さないからいいだろ」

 

「ダメなの!溶けないうちに入れたら薬が出てきちゃうんだってば」

 

「めんどくせっ」

 

「そんなにイヤなら、ゴムつければいいでしょ」

 

「気持ちよくないからイヤだ」

 

「わがまま!」

 

煙草の煙が天井付近にまで昇っていく。

 

まさか、火災報知機が作動したりしないよね。

 

この部屋、灰皿あったし禁煙じゃないもんね。

 

「も、いいだろ」

 

「うん、入れて」

 

祐二が煙草一本吸うあいだが、待ちきれないくらい長かった。

 

「ああっ……いいっ……すご、い……りょう……ち……」

 

「はっ、はっ」

 

「いいっ……もっと……おくに……ほし……い」

 

「はぁ……はぁ……知美ぁ……」

 

祐二のムスコは、大きさも硬さもあたしにぴったりなのかも。

 

だから、こんなに気持ちいいのかな。

 

足の位置を変えて、自分から腰を動かす。

 

すごくいい。

 

「あっ!」

 

祐二が、あたしの腿の裏を強く押さえつける。

 

腰の下に枕をあてられた。

 

体を曲げられた辛い姿勢の上に、祐二の上体がかぶさってくる。

 

胸が重なって顔がすぐ近くにある。

 

あたしの首に顔を押しつけた祐二が激しく腰を動かした。

 

祐二の体のどこかでクリちゃんが刺激されているのか、あたしはイキそうになっていた。

 

「くっ!」

 

祐二のムスコが体の奥でビクンと脈打つのがわかる。

 

ドクッと精液の最初の迸りを感じると同時にあたしはイッた。

 

「ああーっ!」

 

祐二が離れようとしてる。

 

「ちょっとだけ、待って」

 

「あ?」

 

「お願いだから、少しだけ、このままでいて」

 

「もう、勃たねえよ」

 

「いいから、黙って、じっとしてて」

 

「こすってやろうか?」

 

「しなくていい」

 

「なんで?いつもしろって言うくせに」

 

「今日は、もう、イッたからしなくていいよ」

 

「マジ?」

 

祐二、ごめんね。

 

「ありがと、もう、いいよ」

 

気持ちよかった分だけ、よけいむなしく感じるのかなあ。

 

「煙草、一本ちょうだい」

 

「体に悪いから、おまえは吸うな」

 

バカ……。